IKISG

都内在住、IT職フルタイム、1児の母。親に頼れず、夫は多忙のワンオペ育児。巷のメディアに取り上げられるワーキングマザーはスーパーウーマンすぎて身近に感じられない。普通の人でも、親に頼らなくても働くにはどうしたらいいのか考えています。生後5か月の子を認証園に預けて復職し、1歳で認可園に転園。復職から3年ほどの人が書いています。

なぜ私は手作りの服を作るようになったのか(3)

なぜ私は手作りの服を作るようになったのか(1) - IKISG

なぜ私は手作りの服を作るようになったのか(2) - IKISG

ここまでの気づき

・店では買えないものを作ればいい。
・テクニックやデザインは既製品に及ぶべくもないけれど、
 子どもが気に入った服のリメイクだったら負けない。
・材料費が高いなら、材料費がかからないものを使えばいい。

 

子どものお気に入りTシャツをリメイクして巾着を作り、保育園用のおむつ入れとして使った。
子どもは得意がって先生に見せ、先生は「裁縫なんてえらいのね」と褒めてくれる。
大したことではないのは百も承知だけれど、「いいお母さん」として認められるのは嬉しいものだ。

 

そんな日々、夫が古いワイシャツを捨てると言っていた。
今まで捨てずにため込んでいたけど、ずっと着ていなかったものを処分するという。
見れば襟や袖は古びているものの、身頃の布はきれいなままだ。
しかも高そうな厚手の木綿。

捨てたらもったいない気がして、もらった。

 

シンプルなスカートかワンピースでも作ろうか、と考えながらワイシャツを眺めていると、
袖が子どものズボンサイズにちょうどいいような気がしてきた。
(当時、子どもはサイズ80~90くらいを着ていたと思う)

 

とりあえずワイシャツの袖を肩から切り落とし、カフスも切る。
アイロンをかけ、ズボンのすそになる手首を折り返して縫い、
股になりそうなあたりを縫い合わせ、ウエストにゴムをいれて、子どもズボンは完成した。

 

最初はローライズすぎたり、子どもが動くうち股が破けたりと素人な失敗もたくさんした。
でもワイシャツはいくらでもあるのだ。
どうせ捨てるつもりだった物、失敗しても痛くもかゆくもない。
無駄に自信をつけ、何枚も作るうち、なんとなくコツが分かってきた。
丈を変えたり、裾の形を変えたり、ポケットを付けてみたりと少し凝る余裕もできた。

 

捨てるはずのものを有効活用して、
しかも買えば高そうな布で、子どもの服を手作りする。
子どもが寝て家事を終え、ただミシンを掛ける時間はなかなか悪くなかった。
無心になれた。

 

手作りは楽しい。もっと作りたい。
しかしワイシャツはいつか尽きる。その前に自分が飽きる。
ワイシャツじゃない、別のものを縫いたい。そう思った。

(つづきます)