何に腹が立つのか考えてみた ~ベネッセの件
ベネッセの個人情報流出事件は、エンジニアとしても親としても他人事ではないニュースだった。
とはいえ、あのニュースに接した時の私の初動は悪すぎた。
「ベネッセから子どもの情報を含む個人情報が流出」と騒ぎになったとき
ああこどもちゃれんじをやっている人たちだな、うちはやっていないし、と思ったのだ。
それからかなりの時間が経ち、ベネッセからお詫びの封書が2通送られてきた。
私のものと、子どものもの。
それでやっと思い出した。
私は、ベネッセが提供している妊婦向け情報サイトに登録していたのだった。
がっかりした。
登録したのは私ではなく夫だ。
でもそのサイトを通じて子ども用品を買ったから住所までご丁寧に入力されていた。
子どもの情報を入れたのは私だったか、夫だったか。
どっちでもいい。腹立たしい。
噂には聞いていたが、お詫びは500円分の金券、または寄付。
いっそお詫びしないでくれたら流出に気づかず、平穏な気持ちで暮らせたのに、とよぎる。
腹立たしい。
500円ぽっちを受け取って許したと思われたくはないが、寄付はもっとしたくない。
財団を作り、その運営のための雇用が生まれて、それは焼け太りというやつではないのか?
個人情報削除を希望するにチェックを付け、返送した。
腹立たしい。
でも何もできない。
そして最近、ベネッセの集団訴訟があることを知った。
ベネッセ個人情報漏洩事件 被害者の会
http://www.benesse-saiban.com/pc/index.html
集団訴訟して、たとえば500円が1万円になったからといって気持ちは収まらない。
でも納得していないのにこのまま黙っているのはどうなのだろうか。
補償が欲しいのではない、もっと罰を受けてほしいと思った。
そんなことをする人がいなくなるくらいの厳罰を。
しかし夫は集団訴訟の参加に反対だという。
お金をもらって気が楽になるのでなければ、やる意味はないという。
同じく個人情報に携わるエンジニアとして、このような事件が厳罰化されることは怖いとも。
わかる。よくわかる。
どんなにチェックを厳しくしようが、流出が100%起こらない環境など作れない。
限りなく安全な仕組みは作れるかもしれないが、たぶん業務に支障が出るレベルで現実的ではない。
では、どうであればよかったのだろう。
持ちだしたのが派遣社員でなければまだマシな気持ちだっただろうか。
社長が最初から頭を下げていれば違っただろうか。
お詫びの手紙に寄付という選択肢がなければよかったのか。
500円という額が気持ちを逆なでしたのだろうか。
そもそもLINEで個人情報が売り渡されている現代で、
子どもの個人情報が売られたくらいのことを気にしてはいけないのかもしれない。
それにしても、腹立たしい。