IKISG

都内在住、IT職フルタイム、1児の母。親に頼れず、夫は多忙のワンオペ育児。巷のメディアに取り上げられるワーキングマザーはスーパーウーマンすぎて身近に感じられない。普通の人でも、親に頼らなくても働くにはどうしたらいいのか考えています。生後5か月の子を認証園に預けて復職し、1歳で認可園に転園。復職から3年ほどの人が書いています。

お金がないのが問題じゃない(気がする)

子どもが生まれてから3年ちょっと
復職してからもうすぐ2年の実感として、親に頼れない子育ての実感として
声を大にして言いたい。

お金がないのが問題じゃない、と思う。

 

前にも同じタイトルで書いているけど(お金がないのが問題じゃない - IKISG)、
今回はちょっと違う。

 

「子どもを一人育てるには○千万円必要」というような話をよく聞く。

子どもが欲しいけどお金の不安が、という意見も散見される。

子どもが生まれれば子ども手当も頂けたりする。
(なぜか3歳で減額されるが)

 

お金がなければ子どもを産めない、はその通りなのだろうけど
じゃあ終身雇用で右肩上がりの給与をもらえていれば、
または保育園にちゃんと入れて共働きが続けられれば、
子どもはどんどん生まれてくるのだろうか。

どうもそうは思えない。

 

子どもが生まれてから今日まで、必要だと思ったのはお金よりも圧倒的に時間だった。

時間がない。とにかく時間がない。

寝る時間すらない赤ちゃん時代を経て、つきっきりであげた離乳食、
トイレまでついてくる乳児期。

熱でも出せばうとうと寝ては泣き、そのたびに抱っこして、
週末なのに仕事より疲れることもよくあった。

今はだいぶ言葉が通じるようになって楽ではあるけれど
天気がよければ「こうえんいきたい」、雨なら「ブロックやろう」「えほんよんで」。

子どもに「ちょっと待って」を繰り返しながら家事をバタバタとする。

自分がやりたいことはどんどんたまっていく。

隙間時間を見つけても「今のうちに洗濯しちゃおう」などと考えるようになる。

自分の時間は自分のものと、好き勝手やっていた自分はどこへ行っちゃったんだろう。

 

「子どもがいると時間がない」なんて誰も教えてくれなかった。

 

「子どもを育てるには○千万円必要だ」という説も、
(計算方法によってズレはありそうだけれど)そう間違った数字ではないのだろうと思う。

でもそれ以上に、「子どもを育てるには自分の時間が必要」なことが重大な気がする。

 

仕事も趣味も生活も、すべての時間が子どものために使われていく。

そしてそれは赤ちゃん時代の話だけではなくて、きっと子どもが大きくなってからも変わらない。

自由な時間はだんだん増えていくのだろうけど、
子どもも手伝ってくれるようになるのだろうけど、
母としての義務が消える日はもっとずっと先なのだろう。

急に思い立って旅行に行ったり、友達とその場のノリでオールしたり、
そんなことはもう当分できない。

 

もしかしたらみんな分かっていて、覚悟もあるうえでお金だけがなくて
「○千万円必要」と言っているのかもしれない。

でもそれは「○千万円だけあればOK」という意味ではないんだよなあ、と今さら思う。