親に頼れない子育てをする方へのエール
親を頼れず、夫も激務で、自分は復職を希望していた。
いろんな不安でいっぱいだった。
出産から3年以上、復職してからもそろそろ3年になる今、だいぶ落ち着いたので
これから私のような生活に入る人や、入りたてで不安な人に
少しでも役に立てればと思って書いてみる。
首都圏に限られた話もあるかもしれない。
不安だったこと1: 仕事に戻れるんだろうか?
これは職種や会社の文化にもよるし、子どもの健康さにもよるので何とも言えない。
ただ、一個人の実感として
やるまえに諦めてしまうなら、やってみてから諦めたほうがいいのではないかと思う。
子持ちで再就職するには
「保育園に入れない」「採用してくれる会社が少ない」という二つの壁がある。
よほど特殊な資格持ちでなければ、まずは今いる会社で続けるのがいいと思う。
辞めてから「続ければよかった」と思っても難しいからだ。
不安だったこと2: 社会との接点がなくなってしまう
もともと仕事に戻りたかったことに加え、産後の休暇中の生活で更に思った。
「働きに出なければ社会との接点がなくなる」と。
夫以外とは、スーパーで「袋いりません」と話すのが全ての日すらある日常。
まだ話せない子どもと二人きりでずっと過ごす時間。
これはよくない…とにかくよくない…と思っていた。
夫は気楽に「ママ友でも作れば」というが、
もともと人と仲良くなるのに時間が掛かる自分が
「子どもがいる」という接点だけで誰かと仲良くなれるとは思えなかった。
むしろ余計ストレスがたまりそうだ。
意を決して近所の児童館に出掛けてみたりしたが
既に出来上がっているコミュニティに入れず、余計に危機感がつのった。
あの時私の頭の中には「会社orママ友orぼっち」という選択肢しかなかった。
とにかく視野が狭くなっていたと思う。
視野が狭くなっているかもしれない、という自覚すらなかった。
今振り返って思うのは、別に働かなくても社会との接点はあったということだ。
「子どもがいるというだけで仲良くなれる」わけではないのは今も一緒だが、
「子どもがいて気が合う人」というのもいる。
託児付き親向けセミナーや子どもOKの演奏会があるのも知った。
私の友人は、区が主催する子連れOKのヨガ教室に通ってママ友ができたそうだ。
子どもがいる人を助けてくれるものはたくさんある。
しかも、地方自治体が主催するものなら、費用はごく安い。
ただ、大々的に宣伝されていないだけだ。
自分が住んでいるところのウェブサイトやパンフレットはすみずみまで読んだ方がいい。
不安だったこと3:育児に関するアドバイスをもらえない
自分の親が日常的に育児に関わっていれば、その経験に助けられたかもしれない。
それがない私は一人で立ち向かわなければならない、と思っていた。
結論を言えば、全然そんなことはない。
保育園に行くようになれば保育園の先生が有用なアドバイスをしてくれ、相談にも乗ってくれる。
肉親特有の押しの強さで「可哀想」攻撃をしてくることもないし、
古い育児の知識を押し付けられることもないし、
情で甘やかしすぎてしまうようなこともない。
私にとっても、親に言われたらムッとするようなことも
たくさんの子どもを見てきたプロの意見と思えば素直に聞くことができた。
私は本当に保育園の先生に救われたと思う。
たまたまベテランの先生が担任になってくれたのもよかった。
保育園に行かず家で育児をする人でも
保健師さんや一時保育、保育園が行う保育相談など
話を聞いてくれる場所はあると思う。
どうぞ恐れず相談してみてほしい。
当たり外れはあるかもしれないけれど、相手はプロだからきっといいアドバイスをくれる。
不安だったこと4:家事も仕事も中途半端になっちゃう
それまで残業ばかりして働いていたから、余計にそう思った。
効率を良くすると言っても限界がある。それまでと同じ働きはできない。
それは受け入れるしかなかった。
それでも、辞めてしまえば戻れるかすら怪しいから、
今は「つなぎ」と割り切る気持ちも必要かもしれない。
子どもが大きくなれば、また仕事に打ち込めるかもしれない。
それとも、セーブした働き方をする中で、他にやりたいことが見つかるかもしれない。
お金のためにもキャリアのためにも、今できる仕事を受け入れることが必要だった。
子どもが生まれても何も変えずに済む夫を羨ましいと思ったこともあった。
でもそれは仕方ない。
子どもを産まないことも、産んだ後もバリバリ働くことも、自分で選べることだ。
でも子どもを産み、無理のない範囲で復職することを選んだ。
だからそれに対していつまでもぐちぐち考えてもしょうがない。
復職してからしばらくは「誰でもできる仕事」「自分はいてもいなくても変わらない」など
拗ねた気持ちを持っていた。
でもその後、いろいろ足掻いてみて(今が一番楽しいと言える - IKISG)、
今は充実している気がする。
将来のために「捨てる」期間として復職した、と考えるのも一つだし
やれる範囲で楽しんじゃおう、と思うのも一つだ。
家事は工夫のしどころがいくらでもあるから、思っていたほどひどい生活をせずに済んでいる。
自分で工夫して振り返って改善する、と仕事のように取り組んでもいいし
ブログや本で先人の知恵を拝借するのもいい。
試行錯誤したことはこのあたりに書いてある。
自分で編み出したテクニックのようなもの:乳児期 - IKISG
特に「仕事のように家事をする」のは自分にとってはイノベーションで、
いままで「気が乗らないからやらない」「だらだらやる」ものだった家事を
工夫してやるようになった。
一定期間ごとに振り返って、失敗と成功を整理する。
失敗要因を探り、改善策を考える。
システマティックに、機械のように粛々とやる。
そういうゲームだと思えば面白かった。
「夜ごはんは夜作るもの」「洗濯は朝」そういう自分の「なんとなくの常識」を打ち壊して
条件に最適な手段を考える。
これは仕事にも活かせるのではないかと思う。
仕事は家事に活き、家事が仕事に活きる。
家庭と仕事を両立する面白さはそこにあるのかもしれない。
不安だったこと5:それでも不安!何かが不安!
夫でも友達でも、誰かに気持ちを話す。
「自分ばかり大変」「独身者は気楽でいいな」「夫は飲み会に行けてずるい」
などと思い始めると本当に危険なので
そうなる前に誰かに弱音を吐いてみるといいと思う。
どんな立場の人でも、「自分ばかり頑張っている」と思っている人に魅力的な人はいないと思う。
親に頼らなくても大丈夫。
不安を感じずに過ごせる。
意外とちゃんとやれる。
そうなるよう願っています。