キラキラ
早や年の瀬、クリスマスのイルミネーションをあちこちで見るようになった。
大人になり、行動範囲は広がって、子どものころより多くの
イルミネーションや飾りつけを見ているはずだ。
でも、子どものころのクリスマスのほうがずっと、キラキラしていた気がする。
なぜだろう。
見慣れたから、もうクリスマスはキラキラしないのだろうか。
思い返せばあれは、手に入らないもの、非日常がキラキラして見えたのだと思う。
クリスマスのごちそうは好きな時に食べられるわけではないし、
プレゼントは大人にお願いして買ってもらうしかない。
欲しくても買ってもらえないおもちゃだってたくさんあった。
何しろあのころは欲しいものがたくさんたくさんあった。
大人になってしまえば、何もない日にチキンやケーキを食べることもできるし、
欲しいものは自分のお金で買える。
そして、いつでも買えると思うと、不思議と欲しいものはなくなってしまった。
最近また、世の中がキラキラしていると思える時がある。
子どもが生まれて自分の時間がなくなり、今までの当たり前が当たり前ではなくなったからだ。
手に入らないものはキラキラして見える。
不自由と自由を行ったり来たりするのは面白い、と思った。