私は技術者でいたい
仕事に戻りたい戻りたいと思っていた頃、
エンジニアでいたい気持ちと、とにかく社会に接していたい気持ちとがあった。
あの時、もし、
「エンジニアとしては戻れない。専業主婦になるか、違う仕事で戻るか」
と言われたら、自分はどちらを選択していたのだろう。
幸い、同じ仕事のまま、会社に戻ることができた。
しかし理不尽なことを言われたり、役割を押し付けられたりして葛藤もあった。
辞めたほうがいいのか、辞めるべきなのか、と思ったことも一度ではない。
しかし小さい子どもを抱えて転職はいかにも難しそうだ。
採用してくれる会社があるんだろうか?
もしあったとして、ちゃんと毎日定時で帰らせてもらえるんだろうか?
飲み会に全く出ず、新しい会社に馴染めるんだろうか?
いきなりお荷物状態で入ってくる社員をよく思わない人だっているだろうし。
転職できたとしても、待遇面も気持ち的にも楽じゃないんだろう。
行き場はたぶんない。
働くこととは、私にとって何なのだろう。
今の会社で働き続けたいのか?
それとも、一人の技術者でいたいのか?
技術者でありたいと思った。
それなら、今の会社の無理解を気にすることはない。
何ができたら、業界で求められる人材になれるだろうか。
いつか身軽になったとき、それは10年以上先かもしれないけれど
それでも転職できるような何かを身につけられたら。
そのために今の環境で使えるものは使おう。
理解してほしいと思うから、無理解な態度に苦しむ。
分かってもらわなくていい。
今やれる準備を粛々と進めよう。
私はほんの少し自由になったと思う。