IKISG

都内在住、IT職フルタイム、1児の母。親に頼れず、夫は多忙のワンオペ育児。巷のメディアに取り上げられるワーキングマザーはスーパーウーマンすぎて身近に感じられない。普通の人でも、親に頼らなくても働くにはどうしたらいいのか考えています。生後5か月の子を認証園に預けて復職し、1歳で認可園に転園。復職から3年ほどの人が書いています。

専業主婦vsワーキングマザーなんて誰かの陰謀だ

どこかの匿名掲示板だったか、それとも匿名ダイアリーだったか。

それぞれが自分の思いをつづる場所で、

「ワーキングマザーなんて大嫌い」と書かれた文字が目に入った。

書いている人はどうやら子育て中の専業主婦。

自分もワーキングマザーの端くれとして、どうしても気になってしまった。

(蛇足だがワーキングマザーと呼ばれるのは好きではない)

 

放っておかれる子どもがかわいそう。

そんなに働きたいなら子どもを産まなければいいのに。

自分はいっぱい子どものそばにいてあげるんだ。

 

そんな文章がたくさん、連ねられていた。

どれもよく言われることではあるけれど、目にすれば平常心ではいられない。

だいぶ慣れてはきたがそれでも、罪悪感のようなもの、が胸をかすめる。

 

書いた人の怒りの漂うような長い文章を下まで読んだとき、

「働いていないからって私たちのことを見下して」

という一文にたどり着いた。

ああ、と思った。

 

それを書いた人はだれか身近な人から、もしくはネット上で、
専業主婦の立場を馬鹿にされた。

だからワーキングマザーが嫌いなのだ。

なんてわかりやすく、なんて不幸な構図。

私ももし、ワーキングマザー全般へではなく私個人に対して
子どもを預けて働いていることを見下されたら、
その相手に平らな心ではいられないだろうなと思う。

 

違う選択肢が同時に存在するとき、それが戦いになってしまうのは不幸だ。

でも一つのものを奪い合うような話ではないのに、なぜ戦いになるのだろう。

ある人は家庭に入り、またある人は働くことを選びました。

めでたしめでたし。

にならないのは何故かを考えると、
誰かが不幸か、誰かが不公平に感じているか、誰かが自分の思い通りにできていないからか。

 

私は自分で仕事に戻りたいと思い、そのためには半ば強迫観念のように
毎日同じ時間に子どもを寝かしつけたりもした。

その結果のワーキングマザーだから、復職した後に葛藤もあるにせよ
現状には満足している。

もしそうでなかったら、その鬱憤は、誰か自分と違う立場の人へぶつけられたのだろうか。

 

専業主婦vsワーキングマザー、という構図は確かにあるような気がしている。

でも現実に自分の身でそれを体験したことはない。

専業主婦の方から敵視されたこともなければ(そもそも出会わない)、
他のワーキングマザーから専業主婦批判を聞かされたこともない。

単に私がぼっちな可能性も捨てきれないが、それにしても一切ない。

 

ひょっとして専業主婦vsワーキングマザーという構図は
メディアか匿名のネット上か、それを面白がる誰かが作った虚構なんじゃないだろうか。

戦いはない。悪意は存在しない。

もちろん自分が相手に悪意を向けてしまえば報いは受けるだろうけれど、
それは専業主婦とワーキングマザーの間に限った話ではない。

そう思っておこう。