私には仕事が必要だ
子どもはおもしろい。子どもはかわいい。
でもいつもそう思えるわけではない。
滅諦にしない残業をして帰ったとき。
勉強会に出てから帰ったとき。
昔からの仕事上の知り合いと会ってから帰ったとき。
家について子どもを見ると、
ああ、私にはもうこんなに大きい(まだ1歳だが、生まれたての頃から考えるとだいぶ大きい)子どもがいるんだ、と思う。
不思議な気持ちになり、とても幸せだと感じる。
そういえば産後すぐの頃もよくそんなことがあった。
まだ小さな小さな子どもを抱えて、毎日があっという間だった。
でもふと、昔から着ている普段着とか、長く使っているひざ掛けなどを見て、
「前の季節にこれを着た時はまだ子どもはいなかった」
「このひざ掛けなんか買ったのは学生の頃だ」
と思い、いま子どもを抱いている自分とあの頃の自分は確かにつながっているんだ、と不思議に思えた。
ずいぶん違う環境にいるけれど。
残業帰りでの子どもとの対面もそれと同じなのだろう。
ただ、産後すぐにはなかった幸せを感じるのは、この1年ちょっとばたばたと苦労したなりに
子どもが育ち、可愛くなり、母親業に少しだけ慣れたからだと思う。
私には仕事が必要だ。
仕事帰りに見る子どもが一段と可愛く、一段と幸せに感じられる限り。