IKISG

都内在住、IT職フルタイム、1児の母。親に頼れず、夫は多忙のワンオペ育児。巷のメディアに取り上げられるワーキングマザーはスーパーウーマンすぎて身近に感じられない。普通の人でも、親に頼らなくても働くにはどうしたらいいのか考えています。生後5か月の子を認証園に預けて復職し、1歳で認可園に転園。復職から3年ほどの人が書いています。

子どものオン・オフ使い分けを知ってしまった

子どもはもう自分の表現を持っているんだ、と思った。

 

保育園にもすっかり慣れ、朝泣かなくなった。

0歳から通っていた前の園でそうだったように、すっかり慣れて
家と同じように過ごしているのだろうと思っていた。

しかし先生から聞く様子や、園ノートに書かれた内容には少し違和感があった。

「おとなしい、かわいい、いい子」のエピソードが多いのだ。

 

わが子は我儘である。(世間の1歳児はみんなそうだろうけれど)

わが子は自己主張が強い。怒りっぽい。

わが子はよく笑う。大きな口を開けて大きな声で笑う。

おもちゃや絵本を引っ張りだして遊び、じっとしていない。

大人が食べるものを何でも欲しがる。

 

どうも園での様子と家での様子は違うのかもしれない、と思い始めたころ
家に私の友人たちが遊びに来てくれた。

以前も来てくれたことがあるが、だいぶ久しぶりだ。

その時わかった。

 

挨拶してくれた友人に対し、子どもは静かに微笑んだ。

普段のキャハハという笑いではない控えめな笑いだ。

ソファにちょこんと座り、服の裾をいじってじっとしている。

大人の食事を邪魔することもなく静かだった。 

駅まで見送るとき、大好きな犬や車を見ても何も言わなかった。

普段ならわんわん!と大騒ぎするはずなのに。

 

「借りてきた猫のよう」という言葉が実感として分かった。

そして、きっと園ではこうやって過ごしているのだ、と思った。

 

通い慣れた前の園から転園したことや、
本人が成長していろいろ分かってきたことがそうさせるのだろうか。

わが子はすっかり「家」と「外」を身につけている。

 

そういうことが分かるのはもっと先なのかと思っていた。

0歳や1歳の人見知りというのは、せいぜい泣くか寂しがるかだと思っていた。

園でも楽しく遊んでいるようだけれど、家で遊ぶ時とは違う。

そんな微妙な使い分けがもうできるなんて。

泣くか笑うかのオンオフだけじゃないなんて。

泣かなくなったから安心していたなんて、私は随分のんきな親だったのだ。

 

可哀想なような気もしたし、子どもも頑張っているんだなあとも思ったし、
成長ぶりに驚きもした。

家でちゃんとわがままを出してくれることに安心もした。

大きくなるともっと気を使う場面が増えてくるのだろうけど
家でだけは気を使わないでいられるようにしなければ。

 

 

最近、保育園にお迎えに行くと、子どもが大きな声で笑っていることが増えた。

その声を聞くとちょっと安心する。