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都内在住、IT職フルタイム、1児の母。親に頼れず、夫は多忙のワンオペ育児。巷のメディアに取り上げられるワーキングマザーはスーパーウーマンすぎて身近に感じられない。普通の人でも、親に頼らなくても働くにはどうしたらいいのか考えています。生後5か月の子を認証園に預けて復職し、1歳で認可園に転園。復職から3年ほどの人が書いています。

兼業主婦 兼 母のある一日(慣らし保育編)

4月3日、慣らし保育2日目。会社を休む。

 

慣らし保育初日は夫が行ってくれた。

子どもと一緒に遅めに登園し、一緒に遊び、昼ごはんをいただいて
帰ってくるという流れだったそうだ。

ずっと夫がついていたから、子どもは泣かずに過ごしたという。

 

朝、通勤するときより1時間遅く家を出る。

あいにくの雨だが、傘が好きな子供はご機嫌だ。

今日は、子どもを預けて私は一旦家に帰り
昼ご飯と昼寝を終えた子どもを引き取りに行く予定になっていた。

 

今までの園では、朝泣かれたことが一度もなかった。

早くから入園していたから、人見知りや親と離れる不安を覚えるより前に
先生たちに馴染んだのだろう。

今回はそうはいかない。

慣れた前の園の先生たちではなく、まだ見知らぬ新しい先生たち。

自宅にいるとき、私が隣の部屋に行くだけで泣く子ども。

ついに保育園で涙涙の別れを演じる日が来たか…と覚悟を決める。

 

保育園に着きクラスの部屋へ向かう。

今までの園では、連れて来たままの子どもと連絡帳を渡すだけだった。

あとは着替え類を所定の引き出しに入れ、挨拶して園を出る。

急げば5分もかからなかった。

 

今度の園では、まず登園時間を所定の用紙に記入する。

それから子どものおむつを布おむつに付け替え、先生に預ける。

1回分の着替え一式をワンセットにして所定の場所に置く。

その他予備の着替えを所定の引き出しにしまう。

週の頭はお昼寝布団のシーツをつける。

 

これらの作業を初めてやった今日、時間を計ってみると20分かかっていた。

慣れれば早くなるだろうが今までの園と同じ感覚ではいられない。

職場に遅刻しないよう、早めの登園を心がける必要がありそうだ。

 

子どもを先生に預けると、子どもは私のほうを振り返って手を差し伸べた。

抱っこしてのポーズだ。不安そうな顔をしていた。

子どもの頭を撫で、あとで迎えに来るよと声をかけて部屋を出る。

着替えをしまったりシーツをかけたりしているうち
部屋の中から子どもの本気泣きの声が聞こえてきた。

ああ、やはり泣いてしまった。

 

初めての登園作業に手間取る間、子どもの泣き声はずっと聞こえていた。

先生が抱っこであやしている声も聞こえてきたが、泣き声は衰えなかった。

 

園を出る。

登園してから30分弱。お迎え予定時間までは5時間ちょっと。

髪を切りに行こうかと考えていたが、雨のせいで出かける気がなくなってしまった。

帰り道のスーパーで食材を買い、そのまま帰宅。

 

家の中を片付け、簡単な昼ごはんを食べ、自社作業をやる。

何ともなしにウェブ上のいろいろなページを眺める。

昼寝をしようと思っていたのに気づけはお迎えまであまり時間がない。

子どもの夜ごはんを作り、お迎えのために家を出たとき
雨はまだ降っていた。

 

子どものクラスまで迎えに行ってみると
私の顔を見た子どもは急に泣きべそになった。

こんなことは初めてだ。

顔を見たら泣くなんて、不安だったのを思い出したのだろうか。

 

先生に、これからおやつだからついでに食べて行けばと言っていただく。

ありがたくそうさせてもらい、
子どもを小さなテーブルの前に座らせた。

子どもはたどたどしく自分でスプーンを使っておいしそうに食べる。

横でほかの子におやつをあげている先生から昼間の様子を聞いた。

 

朝は泣いてしまったけど、その後は泣かなかったよ。

お昼ごはんを食べて、お昼寝もちゃんとしたよ。

あのおもちゃがお気に入りみたいで楽しそうに笑ってたよ。

スプーンを上手に使えるね。

 

ああよかった。昼間中ずっと泣いていたわけではないのか。

笑いながら遊ぶことができたのか。

それならきっと明日はもっと大丈夫だろう。

そのうち朝も泣かなくなるかもしれない。

先生のことが大好きになり、仲のいいお友達もできるかもしれない。

 

おやつを食べ終え、着替えた服やおむつカバーをまとめてカバンにしまう。

先生たちに挨拶をして園を出る。

 

あいにくの雨だから散歩には行けない。

それに、子どもはきっと不安や緊張で疲れているだろう。

家に帰って、ゆっくり過ごそう。

 

帰宅するや否や、子どもはテーブルを指してまんま!と繰り返す。

おやつを食べてきたばかりなのに、と思ったが、
見知らぬ場所で遠慮していたのかもしれない。

 

おやつを食べ、少し遊び、また食べ物を欲しがるので早めに夜ごはんをあげた。

ごはんのあとは寝室に引き上げる習慣で、かといって寝るには早いから
絵本を読んだりおもちゃを出して遊ぶ。

そのうち子どもが目をこすりはじめ、普段より早めに寝てしまう。

 

一人の時間ができ、また自社の作業を少しやるためパソコンをつける。

夫から帰宅の連絡があったら夜ごはんを作ろうと思っていたのに、気づけば21時半。

普段は21時まで連絡がなかったら先に夜ごはんを食べることにしていたが
完全にタイミングを逃している。

 

今日は園グッズからも解放され、早く寝たいと思っていたが
夫に昨日休んでもらったしわ寄せで夫の帰りが遅くなっているのかもしれない。

ここは先に寝ずに待っていよう。

今日も夜更かしになったとしても、もう週末だから乗り切れる。

そう算段しながら連絡を待っている。