IKISG

都内在住、IT職フルタイム、1児の母。親に頼れず、夫は多忙のワンオペ育児。巷のメディアに取り上げられるワーキングマザーはスーパーウーマンすぎて身近に感じられない。普通の人でも、親に頼らなくても働くにはどうしたらいいのか考えています。生後5か月の子を認証園に預けて復職し、1歳で認可園に転園。復職から3年ほどの人が書いています。

頼ることと、頼らないこと

なるべく親に頼らないように、と思っていた。

高校生になってバイトをしてからは、お小遣いをもらった覚えがない。

いつの間にか自分の服や何かも自分で買うようになっていた。

言わなければ買ってもらえず、買ってと言うことに抵抗があった。

家にお金がないのは知っていた。

 

働くようになってからは

住宅ローンの他、食費、光熱費、新聞代に至るまでを頭割りして払った。

普通の(貧乏ではない)家だったらこんなことまでしなかったなと思う一方

必要以上に甘えなくて済むことにほっとしてもいた。

 

妊娠が分かったとき、初めて親に頼ろうと思った。

 

産後、私が寝ていなければいけない期間に

夫が家にいられるか分からない。

保育園にはなかなか入れないかもしれない。

小さい子がいては今までのような激務は続けられない。

それでも仕事は続けたい。

 

親に頭を下げて、頼んだ。

もともと子どもが好きな親は大喜びで引き受けてくれた。

 

手伝ってもらうぶん、対価は払うという話もした。

水臭いかもしれないけど、その時もまだ生家は貧乏だったし

もし手伝いがなければその分バイトもできるのだから

お金を払うことは当然だと思っていた。

これで仕事が続けられそうだと、夫と話したのを覚えている。

 

そして結局、親には何も手伝ってもらわなかった。

親には親の言い分もあるだろうが、

私は「梯子を外された」と思った。

 

失望もした、腹も立てた。

でも今になって思うのは、

最初から、

自分たちで挑戦する前から誰かを頼ってはいけないということだ。

 

事実、今のところ私たちは

誰の手も借りることなく、何とかやれている。

 

産後、もし立ち行かなくなったら頼もうと

お守りのように調べておいた産褥ヘルパーの電話番号も

結局使うことがなかった。

知らない人に家に来てもらうことよりも

自分たちでできる範囲の家事をやることを選んだ。

幸い、安産で回復も早かった。

 

あのままもし親に頼っていたら楽だっただろう。

でも、今のように

自分たちだけでできた、という達成感や

あのとき頑張ってくれた夫への深い感謝や

これからも3人家族でやっていくんだ、という思いは

なかったかもしれない。

 

自分たちでできることを頑張ろう。

まずはそれからだと思う。