弱さと、人に頼ること
妊娠が分かったとき、自分が弱い存在になったようで戸惑った。
席を譲られる立場になった、会社で気を使われるようになった、
という一つ一つに困惑した。
(けど、実際は電車で席を譲られたことは一度もなかった。
むしろ、割り込まれたことならあった)
妊娠中より産後のほうが世間は優しい、とよく聞く通り
子連れで買い物に行くと店員さんが籠を運んでくれたりした。
人に頼るのが下手な私。
誰かに気を使ってもらうたび、申し訳ないような居心地が悪いような
自分はまだ自分でできます、と言いたいような
そんな複雑な思いを抱えた。
素直に甘えて、笑顔でお礼を言うほうが生きやすいのだろうなと思いながら
どうしても人に甘えられない。
生家は、たぶん貧乏だった。
親は自分たちの仕事に忙しく、甘えてはいけないんだろうなと子供ながらに思っていた。
自分で何とかするしかない。頼ってはいけない。甘えてはいけない。
そう思っていた。
くだらない雑談はするのに、悩み事や聞いてほしいことは少しも言えなかった。
いま、親になって思う。
なんて悲しかったんだろう。私も、気づく余裕もなかった私の親も。
仕事は続けたい。
それでも子供のこともちゃんと見ていたい。
どうしたらそれができるのだろう。